銀座にあるウインドウの上品で美しいディスプレイ

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今の若手デザイナーはMacがあるから、仕事(特に色指定)が楽

クリ絵:師匠、Macがない頃、若いデザイナーはどんな風に仕事をしてたんですか?
 
師匠:Mac以前の時代かぁ…。相当前のことだなぁ。
あの頃の若いデザイナーというかデザイナー予備軍は毎日、毎日暗室にこもり、トレスコープと言う簡易製版写真機で紙焼きをしたり、印画紙に印字された写植をカッターナイフで切って、台紙に糊付けし、版下と言うものを作らされていたな。
 
クリ絵:な、なんか、職人みたいでかっこいいすね!!
 
師匠:ふっ…若いデザイナーの半分は、週に一度は暗室で泣いてたな。
 
クリ絵:えっ、なんで?
 
師匠:デザイナーになっても2年ぐらいはクリエイティブな仕事なんてさせてもらえなかったからなぁ。思い描いていたデザイナーの仕事と現実とのギャップに、気持ちが切れるんだ。
先輩の描いたラフスケッチに合わせて、版下づくりの地味な毎日だもの。
たまにデザイナーらしく色指定をさせてもらっても、色校正が仕上がってきたら思い描いていたイメージと違うし…。
 
クリ絵:そうなんだ。師匠でも色をうまく指定できなかったんだ。
 

色指定が得意だとボーナスが多かった20年前

 
師匠:色指定って昔はとても大切で、失敗したら製版をし直して、色校正をもう一度出してもらってチェックしたりと、費用も時間も多くかかったのさ。
だから、色指定が上手なデザイナーはデザイン会社の中でも重宝されて、ボーナスも同僚よりも多く貰ったものさ。
 
クリ絵:デザイン能力やセンス以前にミスのない色指定ですか(笑)
 
師匠:当時のクリエイターは毎日毎日きれいなカラーバランスの印刷物を必死で探していたよ。
雑誌のページを切り取ってスクラップブックに集めていた先輩もいたな。
そのうち、素敵なカラーバランスの印刷物をデザインしているのが同じデザイン会社だと気づく。そのデザイン会社のファンになって、ますます研究しちゃう。そうやってノウハウを蓄積していくと仕事もどんどん回されるようになってくる。
 
売れっ子デザイナーになる第一歩は、まずカラーバランスのセンス磨くことだったのさ。今より印刷コストが高かったからね。
 
クリ絵:今とずいぶん違いますね。
 
師匠:今はモニターとカラー出力で仕上りが確認できるもんな。今の若いデザイナーは幸せだよな…
色指定を失敗して呆然とする悪夢を見ないで済むからな。
だけど今でも色のセンスが悪い表現物をいっぱい見かけるのは、きっと自分がカラーセンスが悪いことを認識していないんだろうな。
未熟なデザイナーは、自分の好みだけで色を選んじゃダメということだな。

▼クリ絵が分かったこと
色指定の失敗をモニター確認で防げる今のデザイナーはすごく幸せなのです。失敗はなくなってもカラーセンスが必要なのは昔も今も同じ。

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